2008/1/28 (月)

キュベット : 200801 実験アルバイトのススメ

 

 研究機関の中には,実験の補助員として学生アルバイトを使っているところがあります.今回はその一例を紹介するため,大学研究室へ配属される前に実験補助員としてアルバイトをしていた経験をもつ,大学生2名にインタビューしました.

 

Q募集の情報はどうやってみつけましたか.また,なぜやってみようと思ったのですか.

学生A:アルバイトの募集は先輩からの紹介で知りました.将来,研究者になろうと考えていたので,研究室での実験の進め方を知りたいと思ったことが志望動機です.

学生B:自分は友人からの連絡で知りましたが,大学の学務室のアルバイト募集コーナーで知った人もいました.実験手法を早い時期に習得するよい機会だと思い応募しました.

 

Q仕事の内容はどのようなものでしたか.

学生B:2人とも同じ研究室で遺伝子クローニングの手伝いをしました.具体的には,器具の片付けや培地の作成のほか,PCR,DNAシークエンス,プラスミド抽出など,基本的な分子生物学実験が主でした.試料の管理方法や実験ノートのとり方も習得できたのは大きな収穫でした.

学生A:実験手法は,ほとんどマンツーマンで原理からていねいに教えてもらい,自分の技術として身につけることができました.ほかにも,実験を進めるうえでの時間の使い方や,作業の分担方法について学ぶことができ,よかったと思います.

 

Q学生実験と違うところはありましたか.

学生A:責任の重さです.アルバイトだから雑用が中心かと思っていましたが,学生実験ではひとりではやらせてもらえないような実験を任せられ,とても驚きました.

学生B:自分が任せられた作業を失敗すると,ほかの実験過程にも影響がでて研究室全体に迷惑がかかるので緊張しました.最終的に予定していた実験をおえたときの達成感には大きなものがありました.

 

Q実際に実験作業を行うもののほかにも,器具洗浄や実験動物の飼育などちょっとした手伝いや,フィールドワークでサンプルを集めるなど,実験アルバイトにもいろいろありますね.

学生B:実験アルバイトから学生が得られる経験は,与えられる仕事によって大きく変わります.自分の興味ある研究にかかわることが大事なのはもちろんですが,せっかくだから,将来,役に立ちそうな経験ができるアルバイトに応募してはどうでしょうか.個人的な考えとしては,本格的に実験作業を行えるほうが得られるものが大きいと思います.

 

Qそのときの体験は,現在,どのようにいきていますか.

学生A:生命科学に対する理解が深まりました.授業だけではイメージがわきにくかった生命現象も,手を動かしながら習うことで理解や知識を深めることができ,生命科学への興味がさらに増しました.その結果,配属される研究室での研究内容を理解しやすくなり,自分の研究テーマについて真剣に考えるきっかけをもつことができました.

学生B:研究者としての進路について考える手がかりを得られたことも大きいと思います.学部生は研究の現場に立ち入ることがほとんどないので,自分が研究にむいているかどうか,将来像を描くことはむずかしいのではないでしょうか.少しでも研究の現場に立ち入ることができれば,自分が実験をしていて楽しいと感じるか,研究の現場は自分の想像と一致するか,といった進路決定の手がかりを早くから得ることができると思います.

 

Q学部生に勧めますか.

学生A:研究職に興味があるならやってみる価値があります.大学の講義に実感がわき,研究現場の実態を知る良い機会になるでしょう.

学生B:将来の進路決定の重要な参考になるので,仕事の内容をよく調べたうえで経験してみることを勧めます.

 

 実験アルバイトは,授業からは得られない経験を積む機会でもあります.興味ある方は,ぜひチャレンジしてみましょう!

蛋白質 核酸 酵素 Vol.53 No.1(2008)










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