生化学若い研究者の会
2009/09/27 Sunday 00:03:27 JST
Home
Home
生化若手の会とは?
2009年 夏の学校
創立50周年記念行事
第2回 Merck Award
過去の夏の学校
支部活動
キュベット
会則
問い合わせ
リンク
サイトマップ
検索
日本生化学会
News Digest RSS Feed

prof_kobayakawa.png猫を怖がらないネズミが教える心のしくみ

小早川 高 先生  小早川 令子 先生
(大阪バイオサイエンス研究所 神経機能学部門 室長)

 

● 要旨

prof_kobayakawa_fig.png自然界にもともと存在する野生型のマウスは、天敵である猫の匂いがすると恐怖を感じて、すくんでしまったり逃げ出したりします。マウスが猫を怖がるのは当たり前と思われるかもしれません。しかし、脳が恐怖を感じる仕組みを科学的に解明することは容易ではありません。私たちは、遺伝子操作の手法を使って、脳の中から特定の神経回路を意図的に除去したり、つなぎ換えたりしたミュータントマウスを作製して、それらの行動を解析するという究を進めています。鼻腔内の背側ゾーンに存在する嗅細胞を特異的に除去したミュータントマウスは、腹側ゾーンの嗅細胞を使うことで、天敵の匂いそのものを感知できます。しかし、それらの匂いが危険であると断できないために、恐れるそぶりも見せずに猫に近づくという驚くべき行動を示しました。このミュータントマウスは私たちに、猫の匂いが怖いのは遺伝子が先天的に決めていることを教えてくれました。
今日は、ミュータントマウスの研究から分かってきた脳や心の仕組みを解説します。

 

●参考文献

1)    Kobayakawa et al., Nature vol.450, pp503-508 (2007) 
Innate versus learned odour processing in the mouse olfactory bulb
2)    細胞工学 Vol.27 No.11 (2008)
匂いに対する先天的な忌避行動を制御する神経回路

 

● 略歴

平成7年4月~平成21年3月     東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻
平成21年4月~          大阪バイオサイエンス研究所 神経機能学部門

 

● 若手へのメッセージ

私たち大阪バイオサイエンス研究所の神経機能学部門では、脳が外界の情報の意味や価値を判断して、特異的な情動や行動を引き起こすメカニズムを解明する研究を進めています。遺伝子操作マウスを駆使して、脳が情動、判断、記憶、学習、行動などを制御する未知メカニズムを解明する研究に興味のある大学院生や博士研究員の方は、私たちの研究室に参加してみませんか。興味のある方は、reiko@obi.or.jp まで連絡してください。

 
Copyright © 1997-2008 生化学若い研究者の会. All Rights Reserved.