エレクトリックに感じちゃウ!
〜生命現象の醍醐味を味わう〜
要旨を見て頂きたいのですが、このような独創的な観点からのアプローチが、如何に我々が生命現象を理解するのに役立つのかということ、また、我々が細胞のレベルでもまだまだ未知な領域があったということをこの分科会を通して味わってみましょう。
オーガナイザー
中川 豪 (徳島大学大学院人間・自然環境研究科自然環境専攻)
「シグナルパターンから味を測る」
講師:都甲 潔 先生
(九州大学システム情報科学研究科電子デバイス専攻電子機能材料工学講座)
参考文献
1)K. Toko: Biomimetic Sensor Technology, Cambridge University Press, 2000.
2) 都甲 潔:旨いメシには理由がある,角川書店,2001.
神経細胞の最も特徴的な性質は神経活動と呼ばれる電気的な活動がみられることである。その活動は発生の初期の段階では見られないが、発生分化が進むにつれより強い、様々なパターンの活動へと変化する。その神経活動のパターンにより遺伝子の発現、分布、タンパクのプロセッシング、リン酸化といった分子の挙動が制御されている。よって、この電気的なパターンを制御することにより、神経細胞および神経回路の機能を変化させることが可能である。
これまで、我々は複雑な神経活動のパターンのうちどのような信号が目的とする脳の可塑性の制御に重要であるかを調べてきた。その結果パターン情報のうち特に、周波数情報が重要であることが明らかになってきた。現在、橋-小脳路系(学習を必要とする運動系)に着目し、神経活動のパターンのもつ役割を明らかにし、脳を制御するため必要なプログラムを作成する試みを行っている。よって、引き続き神経活動のパターン情報の詳細を解読中である。また、解剖学的情報をもとに中枢神経系のための埋め込み型マイクロチップの開発を行い、実際にマウスの生体に応用し、神経細胞がもつ電気的なパターンを制御することにより失われた機能の回復と運動能力の開発の実験を試みている。
この路線の仕事は網膜-視覚野の系で先行し、網膜にマイクロチップを埋め込むことにより、盲目患者から光りを取り戻すことに成功している。また、中枢神経系では、神経細胞がもつ神経活動のパターンを積極的に変えることにより、パーキンソン病やうつ病も治療できるという報告がアメリカから出されるようになってきまた。我々はこれを、橋-小脳路系を制御することにより、神経変性疾患、老化により発症する運動障害の治療に応用しようと考えている。
References
M.Ozaki (2001) The Neuroscientist (Review Journal) 7 (2) 146-154.
M.Ozaki, et. al. (2000) J. Neurosci. Res., 59, 612-623.
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尾崎美和子, 他(1999)実験医学, 17, 106-112.
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