科学には純粋に知的好奇心を満たす真理追求の側面と、得られた知識を社会を豊かに
するために用いる利益追求の側面があると思います。
現在の科学研究はどれも巨大化しどの分野でも多くの予算を必要とするものになり、
国家や企業の経済的援助なしには成り立たないものになっています。研究を支えるの
が国家や企業の出資である以上研究により利益を生み、還元しなくてはなりません。
しかし、ここで問題となるのは、利益を生む「有益な研究」と「無益な研究」を分け るものはいったい何なのか、ということです。
先に述べた科学の2つの側面のうち、「利益追求の側面」はその目指すものがはっき
りしており素人目にもそれが実際に役に立つものであることがよくわかりますが、「
真理追求の側面」はその研究に携わる人にしかその価値や意義がよくわからないこと
もままあります。
しかし、それらを意味のないものとしてしまうのも問題です。数学における数論や、
アインシュタインの相対性理論なども、現在では暗号化技術や原子力発電などの分野
で多くの成果を挙げています。
このように、すぐには利益を生まない知識の集積が後の世に思わぬ結果をもたらすこ
ともあります。
では、「有益」と「無益」の線引きをどうするか、われわれは何を指針に研究を行っ
ていけばよいのでしょうか?
2002年度の夏の学校 シンポジウムは3人の先生をお呼びして、以上のテーマについて
議論していきます。
講師
「科学研究の目標」
三浦謹一郎 先生(株式会社プロテイオス研究所)
「人材育成と国家戦略」
綱澤進 先生(前バイオカレッジ京都校長)
「科学の真理追究の側面と利益追求の側面」
百瀬春生 先生(東京理科大学 基礎工学部 生物工学科)
三浦 謹一郎(プロテイオス研究所)
綱澤進 先生(前バイオカレッジ京都校長)
百瀬 春生 先生(東京理科大学 基礎工学部 生物工学科)