現在、私たちの身の回りでは様々な環境問題が存在しており、その中でもダイオキ シン問題・産業廃棄物問題・「環境ホルモン」問題などは近年、私たち生物を扱う研 究者にとって身近な環境問題となりつつあります。皆さんの中にもこの様な問題の解 決を目指すような研究に携わっている方もいらっしゃることでしょう。
しかし、様々な研究がなされているにも関わらず、問題の全体像とそれらの研究の 関係(位置づけ)は曖昧になっていることが多いのではないでしょうか。環境問題の解 決を目指すといっても、単一の技術的対策だけで対処できる問題はほとんどなく、様 々な側面からのアプローチが必要です。また、一つ一つの研究は有意義であっても、 その研究が、対象としている問題全体の中でどんな位置を占めるのかを的確に把握す ることも大切です。そこで現在の科学・技術のあり方を考え、社会システムも含めて それらをどの様に組み合わせれば環境問題を解決に向かわせることができるか、とい う問いが生まれます。
一例をあげるなら、現在これほど様々な先端技術が開発されているのに、リサイク ルの分野では先端技術はほとんど使われず、未だに原始的な分別作業に頼っています。
皆さん、今までに環境に関する研究を見聞きした時に矛盾を感じたことはありませ んか? 例えば、牛乳パックから手間暇をかけてやっと出来るトイレットペーパーと 、簡単に回収・再利用の出来るPETボトルではどちらが「良いリサイクル」だと思い ますか?
そこで、今回、静岡大学松田先生を迎えて環境問題においてこれからの研究の方向 性について語っていただきたいと思います。とかく専門一辺倒になりがちな大学院生 の頭を、先生の様々な角度からの視点により、柔軟にしてもらえると考えています。 この分科会に参加していただくと今までの環境問題に対する研究の考えが変わると思 います。