宮田 満 先生 日経BP社バイオセンター
          Biotechnology Japan Webmaster
          http://biotech.nikkeibp.co.jp/

「バイオテクノロジーにおけるサイエンスとビジネスの融合」

1.ITの次ぎはバイオ
2.科学研究とビジネスの和解
   暇つぶしから、社会の基盤に
   ベンチャーは大学活性化と研究促進のエンジン
3.新しい資本主義、知識資本主義の台頭
4.発展途上国型の科学研究・教育体制
5.市民と研究者の関係に変化
6.バイオ・バブルに浮かれるな
7.21世紀にバイオ研究や産業の盛衰を決めるのは君達

 急速に進展するバイオ技術は、生命の基本原理を明らかにするばかり か、従来の科学研究の在り方にも革新を迫るものとなった。20年前の 私の学生時代にはタブーですらあったサイエンスとビジネスの融合で ある。

 今や欧米のベンチャー企業は、基礎研究の分野まで深く関与し、基礎 研究の有力な推進エンジンにすらなっている。例えば、90年から米国 政府の発議で始まった国際共同研究プロジェクト、ヒト・ゲノム計画 では、98年に創設されたベンチャー企業、米国セレラ・ゲノミックス 社に、ヒト・ゲノムの解読で今年先を越された。米国ではアポロ計画 の次の大規模国家プロジェクトに喩えられていたヒト・ゲノム計画が、 民間企業(日本の大学では業者という差別用語で表現される場合すら ある)に負けたのだ。

 国民の税金で基礎研究を遂行するメカニズムより、株式市場から 資金を調達するベンチャー企業のバイオ研究メカニズムの方が、ある 面では効率がよいことが証明されつつある。米国や英国、最近では 保守的なドイツですら、大学の研究者が続々とベンチャー企業を創設 しつつある。今やサイエンスは聖域ではなくなった。

 わが国ではまだおっとりと、産学共同などといっているが、欧米で は産学一体の研究推進構造が出現しつつある。わが国はバイオで米国 にこの20年大きく遅れをとった。これはわが国の研究者の能力に問題 がある訳ではなく、研究の中核が国立大学に依存し、ベンチャー企業 を創設する土壌がないなど、科学を推進するエンジンに欠陥があった と判断している。

 科学研究を官が独占するという発展途上国モデルから、わが国は一 刻も早く脱却し、国際的に競争が可能な研究インフラを整備すること が待った無しになっている。

              宮田 満  (みやた みつる)
勤務先:
   日経BP社(旧社名日経マグロウヒル、88年7月1日に社名変更)
   バイオセンター長

   〒102 千代田区平河町2−7−6
   電話 ;03−5210−8135
   FAX;03−5210−8118

経歴:
 昭和54年 3月 東京大学理学系大学院植物学修士課程修了
       4月 日本経済新聞社入社
          日経メディカル編集部を経て
 昭和56年10月 日経バイオテク創刊に携わる
 昭和60年10月 日経バイオテク編集長に就任
 平成 8年 1月 インターネットでBiotechnology Japan創刊
とDoctor's Net創刊
 平成 8年 3月 医療局ニューズレター取材センター長兼
          マルチメディア局インターネット事業推進室編集部部長
 平成 8年 11月 医療局ニュースセンター長
 平成 9年 1月 BTJ/HEADLINENEWS創刊(E-MAIL NEWS)
 平成 9年 3月 インターネット局編集部部長兼務(11年3月まで)
 平成10年 5月 医療向けニュースサイトMed Japan創刊
 平成12月 3月 バイオセンター長

主な現在の公的活動:
 通産省「産業技術審議会」委員
 農水省「イネ・ゲノム計画第2期」評価委員
 農水省「21世紀グリーンフロンティア研究」評価委員
 医薬品副作用被害救済・研究振興基金研究支援事業推進委員
 富山県バイオテクノロジー推進懇談会委員など
 バイオインダストリー協会バイオジャパン2000実行委員
 バイオ産業人会議バイオ産業技術戦略委員

 奈良先端科学技術大学院大学客員教授(平成6年12月〜11年3月)
 科学技術庁資源調査会専門委員(平成2年-4年)
 厚生省「創薬ビジョン検討委員会」委員(97年まで)
 科学技術会議ライフサイエンス部会
    ライフサイエンス基本計画分科会委員(97年まで)
 千葉県バイオテクノロジーに関わる環境保全対策専門委員会

主な著作・翻訳:
 日経バイオ年鑑、日経バイオテクノロジー最新用語辞典、世界のバイオ2000社、バイオテクノロジー産業化と国際分析(翻訳、米国議会技術評価局編、日本経済新聞)、応用分子遺伝学(講談社サイエンティフィック)、バイオ革命(PHP)、バイオテクノロジーの夢と現実(アイペック)、「バイオテクノロジーの農業哲学」農林漁村文化協会)、「狂牛病のすべて」(日経BP社)など多数
また、96年からインターネット上で、バイオテクノロジーの総合情報サイト、Biotechnology Japan(http://biotech.nikkeibp.co.jp/)を開設、Webmasterを努めている。