[開催報告] 東海支部・「身近で奥深い、植物学セミナー」

お世話になっております。東海支部スタッフの鈴木涼月、水野陽介です。

6月7日に「身近で奥深い、植物学セミナー」を名古屋大学東山キャンパスで開催いたしました。

本セミナーでは名古屋大学 野口巧 先生と、自然科学研究機構・基礎生物学研究所, 総合研究大学院大学・先端学術院 森田(寺田) 美代 先生をお招きして、植物について生物物理学・生理学的な観点からの研究をそれぞれご講演いただきました。

野口先生には「光合成による水分解・酸素発生の分子機構とその起源」というタイトルでご講演いただきました。 ご講演では、植物が炭素固定を行うために、水を分解して有毒な酸素を生成しなければならなかった背景から、その分子機構を一貫して追求されてきた研究活動についてお話しいただきました。特に印象的だったのは、赤外分光法と計算科学を組み合わせることで、光化学系IIで起こるプロトンや電子の移動反応を詳細に解析されている点です。実験と計算を巧みに使い分けることで、ここまで詳細な反応機構に迫れることに大変驚きました。(水野)

森田先生には、植物の重量屈性、特に重力の感受メカニズムについて、その研究をはじめるきっかけから最新の発見まで、お話しいただきました。特に、植物が重力を感受するモデルが、動物のそれとは異なり、化学的物質の局在を利用することを示すためのプロセスには感動しました。また、森田先生のご講演内では、先生自身の生い立ち・植物研究に至るまでをお話しいただき、参加者にとって自身のキャリアを見つめるきっかけになったと思います。(鈴木)

講演後には深い質問をする参加者もおり、非常に盛況でした。

今回ご講演いただいた野口先生、森田先生、そしてご参加いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

東海支部では今後も、セミナーをはじめとする様々なイベントを企画・運営していきます。皆様の積極的なご参加をお待ちしております。